Recursos de colección

NDLTD Union Catalog (1.532.874 recursos)

The NDLTD Union Catalog is an OAICat server containing thesis and dissertation records harvested from registered NDLTD OAI repositories

Hokkaido University Japan

Mostrando recursos 1 - 20 de 334

  1. NPOの支援による農山漁村での 協働型まちづくりの検証 : 「NPO法人ねおす」10年の事業を事例として

    木野, 聡子
    本研究の目的は、地域に存在する多様な主体が連携・協力し、まちの活力と魅力を高める活動の中でも、特定非営利活動法人いわゆるNPO 法人に着目した、「NPO 法人ねおす」が進めるまちづくりの検証である。本研究では、ねおすが10 年間に行った事業活動の過程から、農山漁村でまちづくりを展開するうえで、NPO 法人が備えるべき条件や専門性の内容、及び組織や活動の特徴や課題を整理した。さらに今後の北海道の農山漁村におけるNPO の支援による協働型まちづくりに貢献し得るNPO の役割を、本事例により得られた特徴からまとめ、提言する。

  2. 観光と図書館の融合の可能性についての考察

    松本, 秀人
    本研究の目的は、日本の観光および日本の公共図書館を対象として、観光と図書館の融合の可能性について様々な角度から考察を行うことにより、こんにちの観光および図書館がそれぞれ持っている課題の解決に、観光と図書館の融合がはたす役割を示すことにある。そしてこれにより、観光や図書館の関係者をはじめ、地域住民や行政機関などに、観光の創出、図書館運営のあり方、まちづくりの実践活動について、新たな手がかりを提供する。全体の概略は、まず観光の課題と図書館の課題を述べ、この解決にあたって「両者の融合が双方の課題解決に役立つ可能性がある」という仮説を立て、予備的な考察をふまえた上で、観光と図書館の融合の可能性を具体的に考察し、さらに観光者と地域とを結ぶコミュニケーションの媒介役として図書館をとらえた「観光者と地域とのコミュニケーションモデル」を試案として提示する、という構成とした。こんにちの日本の観光における主な課題として、(1)地域主導による観光振興、(2)観光の多様化・高度化への対応、の2点をあげることができる。本研究では、これらの課題を解決するために公共図書館に着目した。なぜなら、公共図書館は地域によって運営され、地域の情報拠点であり、多様な資料を所蔵している、などの特徴を持っており、これが前述した課題に対応しうる可能性を持っていると考えられるからである。一方、日本の公共図書館も様々な課題を持っており、主な課題として、(1)新たなサービスをどう展開するか、(2)地域にどのように貢献するか、の2点をあげることができる。そこで、「新たなサービス=観光者へのサービス」、「地域貢献=地域情報の発信や観光振興を通して地域に貢献」という発想を導入してみると、図書館の課題に対して、観光を意識した活動を図書館が行うことが対応策のひとつとして考えられるのである。このように、観光の側からも図書館の側からも互いに着目する理由があるように考えられることから、「観光と図書館が融合することによって、双方にメリットがもたらされるのではないか」という仮説を立て、この仮説をもとに考察を進めた。本研究における「融合」という表現は、簡単にいうと、観光と図書館が様々な点で連携し合うこと、直接的あるいは間接的に利活用することなどを意味しているが、特に「融合」という表現を用いた理由は、「融合によって新たな価値がもたらされる」という点に注目したからである。次に、観光と図書館の融合について具体的な考察を進める前に、図書館の特性からみた観光との関連性、観光と図書館の社会対応にみられる類似性の2点について予備的な考察を行った。まず「図書館の特性」については、(1)社会的な記憶装置としての図書館、(2)地域文化の可視化装置としての図書館、(3)情報の濾過装置としての図書館、という観点から説明を行い、図書館の特性が地域文化や観光と関連があることを示した。また「観光と図書館の社会対応にみられる類似性」については、(1)(訪日・在日)外国人への対応、(2)滞在志向への対応、(3)専門性重視への対応、(4)学習重視への対応、という点をあげて、両者の類似性を述べ、ここにも両者に関連性があることを示した。これらの準備的考察をふまえたうえで、図書館の諸要素からみた観光との融合の可能性について、事例をあげつつ具体的な考察を行い、またそれらの整理と分類を試みた。考察にあたっては、図書館の側に視点を置き、図書館の基本的な要素(「資料」「サービス」「施設)について考察し、次に「図書館と地域社会」に関する要素について考察し、さらに「インターネット社会との関連」について考察し、これらに分類しにくいものを「その他」としてまとめた。それぞれの項目では、まず要素について説明を行い、参考となる事例を紹介し、その上で融合の可能性について分析を行った。この考察によって、観光と図書館が様々な点で融合する可能性があることを具体的に示すとともに、様々な要素を分類して列挙することで、今後の研究のためのチェックリストとなるよう配慮した。さらに、具体的な考察の中でみられる観光者と図書館のコミュニケーションの部分に注目し、図書館を媒介役とする「観光者と地域とのコミュニケーションモデル」を試案として提示した。このモデルを提示することにより、観光と図書館の融合において、図書館が観光者と地域とのコミュニケーションの媒介役として機能しうる点を強調した。最後にまとめとして、観光と図書館の融合によってもたらされる「新たな価値」について述べた。すなわち、図書館にとっては「新たな利用者の出現」をもたらし、観光にとっては「図書館も観光資源である」という認識をもたらし、地域住民にとっては「“まちづくり”という営為の記録を次世代に残す仕組み」として図書館をとらえる認識をもたらす。このように観光と図書館の融合は、これまでになかった価値が創出される可能性を持っており、さらに総体的にみれば、観光と図書館の融合によって観光創造に貢献する可能性もあると考えられる。

  3. 出会いの場としての仏教寺院 : 角田山「妙光寺」と松栄山「了法寺」の事例を中心に

    伊藤, 久史
    本研究は(1)「人は他者に何を求めるのか、なぜ他者を求めるのか」、(2)「現代はどのような社会として特徴づけられるのか」、(3)「現代日本の仏教はどのような立場にあるのか」、以上の三点を主要な問題意識とする。そして各テーマについて主に社会学の先行研究から現状を把握し、その上で(1)と(2)からは現代社会における「異質な他者の不在」という問題、(3)からは現代日本の仏教が「葬式仏教としての現状からどのように脱却できるか」という課題を提示する。本稿ではこれら二つの問題を同時に考察する土台として「出会い」という現象・概念を議論の中心に置き、その上で「仏教寺院が「出会いの場」として機能しうることを明らかにすること」を目的とする。まず、1章では研究の目的と背景、方法や立場を概説し、研究全体の枠組みを提示する。2章では現代における「異質な他者の不在」という問題を主に他者論の先行研究から明らかにし、その問題に対する打開策として「出会いの場」の必要性を主張する。3章では現代日本の仏教が「葬式仏教」として、人々にとって「非日常的」で、「風景化」した存在となっていることを明らかにする。また他方で、寺院がかつては「葬儀」だけでなく、人々にとって「学び・癒し・楽しみ」を提供する「交流の場」として存在していたことを明らかにする。その上で、現代版寺子屋や寺カフェなど近年寺院によって行われている取組みを考察対象として、「葬式仏教」としての現状からの変革の可能性を探る。4章では具体的な調査事例として角田山「妙光寺」と松栄寺「了法寺」の取組みを取り上げ、3章で提示する仮説を具体的に検証する。5章では4章までの議論をまとめる形で「出会いの場」について考察する。はじめに様々な「異質性」を受け入れる「受け皿」として機能する「セルフヘルプ・グループ」を取り上げ、次に仏教寺院のもつ「出会いの場」としての機能を、4章で検証した取組みの姿勢を参照しながら明らかにする。そして最後に、寺院が人々にとって「生きる意味」を考える「セルフヘルプ・グループ」として機能すること、人がそこでの「出会い」を通じて自分自身の生を「我がまま」に生きる契機となりうることにも言及する。そして、現代の様々な社会問題を解決するためには人が「我がまま」に生きること、そしてそれを可能とするためには「他者との出会い」が不可欠であることを主張する。

  4. 車掌の口、乗客の耳 : 車内放送のメディア文化史

    小勝, 健一
    This paper aims to analyze the history of announcement in trains in Japan and show the transformation of "how to speak/vocalize" and "how to hear/listen" by referring to resources such as newspapers, magazines and books that were written by "Ear-witness" all over the country.From 1920’s to 1950’s, radio broadcasting device for in-car announcement had been equipped with trains in Japan. Since then, it has been used for multiple purposes; letting passengers know its direction, name of the next station, side of the opening doors, encouraging them to have good manners inside a car, advertising the new products of railway companies...

  5. Diversity patterns and their mechanisms in stream invertebrate assemblages: focusing on effects of disturbance through community-level density dependence

    Mori, Terutaka

  6. 継続的産消交流の役割と グリーン・ツーリズム発展に関する研究

    金森, 千明
    1.研究の目的本研究の目的は、既存のグリーン・ツーリズムには含まれない継続的産消交流の役割を明らかにするとともに、農業・農村再生に繋がるグリーン・ツーリズム発展の方向性を示すことである。2.研究の背景と意義農村人口が減少する中で、交流人口拡大を求めてグリーン・ツーリズムに取り組む農村は多い。グリーン・ツーリズムは大抵の場合、行政による道の駅や直売所の設置に始まり、ファームインや農村レストランが開業し、農業体験が実施される。ニューツーリズムとして登場したグリーン・ツーリズムも結局は、ハコモノ基盤に陥っており、ソフト開発のうまくいった一部農村が成功しているに過ぎない。つまり、農業・農村を再生するためのグリーン・ツーリズムには抜本的な改革が必要とされているのである。グリーン・ツーリズムは、これまでの研究や農林水産省の定義から、そうしたハコモノによる経済的な利益よりもむしろ産消がリアルに触れ合うface-to-faceの交流の方が重視されるべきとの声が挙がっている。既に多くの現場で実施されている農業体験は、確かにface-to-faceの産消交流ではある。しかし、それには大きく分けて2点の問題がある。1つは、農業体験の位置付けが収益性にあるのか、あるいは社会性にあるのかといったことが曖昧なまま行っている場合がほとんどであることだ。もう1つは農村サイドのみで体験企画を練っているため消費者のニーズと乖離しており、また体験そのものがその場限りの表面的な産消交流で終わってしまうということである。それらの問題により、農業体験がそのまま農業・農村の発展に繋がることは少ない。一般のマーケティング論や組織間関係論をグリーン・ツーリズムに援用すると、既存のグリーン・ツーリズムにおけるマーケティングや組織間関係のあり方は時代遅れであり、それ故に上記のような問題が出てきていると推測できる。そこで本研究では、これからのグリーン・ツーリズムに必要と思われるワン・トゥ・ワン・マーケティングとライフスタイル・マーケティングの実践が可能で、生産と消費の「マリアージュ」という組織間連結が基本的にゆるい連携の一形態を提示し、この形態iiに近いと思われる提携運動やCSAの事例を「継続的産消交流」という既存のグリーン・ツーリズムとは異なる役割を持つものと捉え検討した。本研究における意義は、(1)従来、グリーン・ツーリズムの研究分野ではない継続的産消交流すなわち提携運動やCSAを事例とし、グリーン・ツーリズムに対して新たな切り口で展開を試みたこと、(2)グリーン・ツーリズムを一般のマーケティング論や組織間関係論を利用して捉え直し、問題点を明らかにすると共に今後求められるべき産消交流に向けての連携形態「マリアージュ」を提案したことである。通常グリーン・ツーリズムの研究で扱われる事例は、農家民宿・ファームイン・農業体験・道の駅・直売所・農村レストランにほぼ固定化されている。しかし、現状打破が必要とされるグリーン・ツーリズムには、これまでとは違った角度からのアプローチが有効になり得ると考えられる。現状のグリーン・ツーリズムのマーケティングについては、未だモノを中心とした4Pマーケティングに縛られていて、サービスマーケティングの手法を活用するには至っていない。また組織間関係に関しては、議論の蓄積は少なくないが、わずかな先行研究に関しても農村内部資源のみによる地域経営を目指すものがほとんどで、外部との連携が常識化している一般の組織間関係論の進展には追いついていない。つまり、既存のグリーン・ツーリズムの場面においてもマーケティング及び組織間関係を見直す必要が出てきていると考えられるのである。すなわち、本研究はグリーン・ツーリズムの今後の在り方を探る上で新しい試みになり得る。3.研究の内容本研究では、一般のマーケティング論・組織間関係論を基に既存のグリーン・ツーリズムを整理した後、今後あるべき姿として生産と消費の「マリアージュ」という連携形態を提示した。そして、その「マリアージュ」に類する継続的産消交流である提携運動やCSAの事例調査を行い、より農業・農村再生に結びつくグリーン・ツーリズムとしての「マリアージュ」確立を訴えた。本研究の内容は、以下の7章から成る。第1章では、農村の疲弊を打開するべく始まった取り組みを挙げた上で、本研究における課題と実施した研究方法について整理した。第2章では、これまでの農業・農村をめぐる生産者と消費者の動きをまとめ、日本におけるグリーン・ツーリズムの歴史と新しい捉え方を紹介した。第3章では、農業体験を主とする既存の産消交流の問題点を指摘し、マーケティング論・組織間関係論を援用しながら新たな連携形態である生産と消費の「マリアージュ」を掲げた。第4章では、「マリアージュ」に近いと思われる継続的産消交流の事例として、「三芳村生産グループ」と「安全な食べ物をつくって食べる会」の有機農業提携運動を取り上げた。37年も続いてきたこれまでの活動実績と提携運動の持つ性格を、聞き取り調査や体験調査などから明らかにした。第5章では、同じく「マリアージュ」に近い継続的産消交流の事例として、「えにわ田舎倶楽部」CSAを取り上げた。聞き取り調査や体験調査、またアンケート調査を行い、属する組織の関係や消費者会員の属性などについて探った。第6章では、マーケティング・組織間関係の観点から、第4章と第5章それぞれの事例の共通点・相違点を洗い出し、比較整理することで、より完全な「マリアージュ」を実現するための仕組みを提示した。第7章では、総合考察と研究の意義、及び今後の研究課題について述べた。以上の構成で、本研究は、生産と消費の「マリアージュ」が、農業・農村再生に結びつく真のグリーン・ツーリズムに欠かせないことを示した。農業体験に代表される既存の産消交流の目的が収益確保を主とするものなのかそうでないのかもはっきりせず、交流は単発的な取り組みに終わってしまっている。そうした問題に対し、本研究はグリーン・ツーリズムにおけるディマンドチェーン・マネジメントの実現とも言える、あらゆる生活レベルの人々を巻き込める継続的産消交流こそが今後のグリーン・ツーリズム成功の条件であると結論付ける。

  7. 若年者と労働市場 : フリーターとニートに関する分析と考察

    鈴木, 薫
    本稿では、『就業構造基本調査』(1992年・1997年・2002年)の個票データを用いて、フリーターやニートの若年人口に対する割合が定義によりどのように異なるのか、同一のデータを用いた複数の集計により検証を試みた。また、フリーターやニートの割合の変化を世代間で見るために、生年階級・性別・学歴別のコーホートを作り、同一属性の中でフリーターやニートになる割合「フリーター率」「ニート率」が、年齢推移とともにどのように変化していくかを分析した。過去に厚生労働省や内閣府で行われた集計の定義を基にして定義した「厚生労働省定義」と「内閣府定義」では、フリーター・ニートもともに「内閣府定義」での割合が高く、それぞれ「厚生労働省定義」での割合の約1.5~1.25倍の値となった(2002年)。また、内閣府(2005)に準じてニートを類型化したところ、男女計では増加の見られなかった「非希望型」のニートが、女性では1992年から2002年にかけて若干増加していることもわかった。コーホート分析では、フリーターについては、(1)後に生まれた世代ほどフリーター率が高くなる、(2)高学歴者は比較的世代間のフリーター割合の上昇が小さくなる、という2つの傾向がわかり、中学校卒の1983~1987年生まれの世代では15~19歳時点でのフリーター率が男性で40%超、女性で約60%となっている。一方、ニートについては、ニート率の水準と世代間の格差は男女とも短大・高専卒と大学・大学院卒のグループと中学校卒と高校卒のグループで明らかに異なる。短大・高専卒と大学・大学院卒のグループではニート率はほとんど0%から推移していないが、他の学歴では後から生まれた世代ほど、ニート率が高くなる傾向があるのに加え、年齢に関わらず高止まりする可能性がある。1983~1987年生まれの世代は15~19歳時点で男女ともにニート率が15%近くにもなっている。

  8. Establishment and Pathology of a Murine Model of Influenza Virus-Associated Encephalopathy

    Tanaka, Tomohisa
    インフルエンザ脳症 (IAE) はインフルエンザウイルス感染に伴う致死的な中枢神経疾患の一つである。本邦では毎年100例前後の患者がみられ、5歳以下の幼児での発生が全体の約8割を占めている。死亡率は約30%と高く、神経学的後遺症が遺残することも多いため、効果的な治療・予防法の確立が急務である。本疾患の特徴的な臨床所見はインフルエンザによる発熱の直後に現れる左右対称性の急性脳浮腫で、その後しばしば播種性血管内凝固、多臓器不全の続発を伴うことがある。患者剖検例の病理組織学的検査では脳血管の障害による血液脳関門 (BBB) の破綻が明らかであるため、急性経過での血管障害がIAEの基盤病変であると考えられている。本疾患の発症メカニズムに関しては解明されていない点が多く、動物モデルもこれまでに報告されていない。患者の中枢神経系からはインフルエンザウイルスが分離されないことから、ウイルス感染による直接的な脳組織傷害が本疾患の原因である可能性は低いと考えられる。一方、患者の血液中にはTNF-α、IL-1β、IL-6などの炎症性サイトカインの上昇が認められることが多い。これら炎症性サイトカインの血中濃度とIAEの重篤度が比例することから、サイトカイン血症による急性の血管障害がIAEの原因であるという説が有力である。インフルエンザ脳症の病理組織学的所見がエンドトキセミアによる脳症と類似することから、本論文の第1章では、インフルエンザAウイルス (IAV) 感染乳のみマウスへのリポポリサッカライド (LPS) 投与によるIAEモデルの作出を試みた。IAVとLPSを接種したマウス (IAV+LPS群) ではLPS単独接種群のマウスに比べ、神経病原性と脳血管透過性の亢進がより重度に発現することが分かった。病理組織学的検索では、IAV+LPS群の脳に微小出血、浮腫および好中球浸潤が認められ、同群マウスはIAEと同様の血管障害による脳症を示していた。IAV+LPS群マウスの血漿では、IAVまたはLPSを接種したマウスに比べ、TNF-α、IL-6が有意に上昇しており、IAE患者の血清学的検査所見に一致していた。また、IAV+LPS群マウスの脳にはIAVの感染は認められなかった。同群マウスで観察された脳病変、血中サイトカイン動態、および脳におけるIAVの不在がIAEの特徴に一致していたことから、IAV感染乳のみマウスはLPS接種によりIAE類似脳症を示し、IAEの病態モデルとなることが明らかにされた。本論文の第2章では、IAV+LPS接種マウスにおけるIAE様脳病変の形成メカニズムを病理学的に解析した。その結果、IAV+LPS群マウスの脳ではIAVまたはLPS接種群と比べ、アポトーシス細胞の増加がみられた。アポトーシスは主に脳の血管周囲で見られ、その一部は血管内皮様の紡錘形細胞だった。また、アポトーシス陽性細胞の一部はアストロサイトのマーカーに対して陽性を示した。アストロサイトと血管内皮細胞はBBBの機能と密接に関係しており、IAV+LPS群マウスでは、これらの細胞のアポトーシスによるBBBの破綻がIAE様脳病変を引き起こす一因になっていることが示唆された。一方、脳血管内皮細胞に発現するタイトジャンクション (TJ) 蛋白質の発現量を比較したところ、マウス群間での有意な差は認められなかった。このことから、IAV+LPS群マウスのIAE様脳症の形成にはTJの機能低下による内皮細胞間透過性の亢進は重要な要因ではないと考えられた。過去の報告によると、IAE患者の脳グリア細胞や血管内皮細胞においてもアポトーシスの増加が示されており、本実験のIAV+LPS群マウスの脳症病変はIAEと共通のメカニズムにより形成されていることが示唆された。本論文では、乳のみマウスにおいてIAVの肺感染がLPS誘発性の脳症および炎症性サイトカイン産生を増強させることを示した。同処置を行ったマウスの脳の病理組織像、血中サイトカイン動態およびウイルス分布はIAEの特徴に一致した。また、その脳症病変の形成には脳血管内皮細胞とアストロサイトのアポトーシスが関与しており、本実験のIAV+LPSマウスではIAEと共通のメカニズムにより脳症病変が形成されていると考えられた。また、IAV+LPS群マウスでは血中サイトカイン濃度の上昇が脳におけるアポトーシス誘導の引き金となっていると考えられ、ヒトにおいても高サイトカイン血症による脳血管内皮細胞とアストロサイトのアポトーシスがIAEの原因となる可能性が示された。本マウスモデルはIAEの早期診断法と有効な治療法の開発に役立つことが期待される。

  9. 周産期雌馬における致死的な子宮広間膜血腫に関する病理学的研究


    The broad ligament is a double peritoneal membrane connecting the abdominal wall and the uterus, and the blood vessels pass through the broad ligament to supply the uterus. In aged mares, broad ligament hematoma that often leads to the death by blood loss can occur in perinatal period. It is difficult to arrest hemorrhage by surgical procedure and to estimate and prevent the broad ligament hematoma, because there are few case reports on the sites of arterial rupture, etiology and pathogenesis of the broad ligament hematoma in pregnant mares. The present study purposes elucidating 1) clinical findings of broad ligament...

  10. 糖尿病性腎症治療の新規ターゲット探索 : 高インスリン血症、HIF-1α、ならびにメグシンが糸球体と尿細管間質に及ぼす影響とその機序


    Diabetic nephropathy is the most common cause of end-stage renal failure in developed countries. Strict glycemic control or blood pressure control of diabetic patients with nephropathy result in delay of dialysis onset. However, there is no therapeutic agent at the moment to regress the kidney injury in diabetic nephropathy. Thus, the development of novel therapeutics for diabetic nephropathy is an intensively investigated topic. In the present study, the mechanisms of the progression of diabetic nephropathy was investigated, using type II diabetic nephropathy rat model SHR/NDmcr-cp and in vitro cultured renal cells. First, the renoprotective effects achieved by an insulin-sensitizer, pioglitazone,...

  11. Studies on the natural transmission cycle of West Nile virus and the antibody survey in birds

    Murata, Ryo
    ウエストナイルウイルス(WNV)は蚊によって媒介される人獣共通感染症の原因ウイルスである。自然界では野鳥と蚊の間でウイルスの感染環が維持されている。ヒトやウマは髄膜炎や脳炎を発症し、重篤な症例では死に至る。1999年、ニューヨーク(NY)市で北米では初めてWNVが確認され、その後わずか数年でアメリカ合衆国全域に流行が拡大した。WNVは1990年代前半まで病原性の低いウイルスであると考えられてきたが、近年北米で流行している株はヒトやウマだけでなく自然宿主である鳥類に対しても強い病原性を示す。ヒト用の効果的なワクチンや治療法は未だ開発されておらず、WNVの生物学的・生態学的特性を明らかにすることが公衆衛生上重要である。現在WNVの分布域は北米大陸だけでなく、南米大陸およびロシアにおいても拡大しており、ウイルスが渡り鳥や物流を介して日本や東アジア諸国に侵入する危険がある。日本国内でのWNVの流行はまだ報告されていないが、日本にはWNVを媒介可能な蚊と増幅動物となる鳥類が多く生息し、またWNVに近縁で血清学的に交差反応を示す日本脳炎ウイルス(JEV)が常在している。JEVは豚だけでなく野鳥も宿主とすることから、日本や東アジアにWNVが侵入した場合、両ウイルスが野鳥に重感染する可能性がある。鳥類における両ウイルスの感染を鑑別可能な診断法の確立も急務である。これらの背景から以下の研究を行った。第一章では、WNVのエンベロープ(E)蛋白質上への糖鎖付加がウイルスの増殖に与える影響を調べた。多くの病原性の弱いWNV株はE蛋白質上にN型糖鎖付加部位を欠損しており、WNV NY株を含む近年の病原性の強いウイルス株は糖鎖付加部位を持つ。このことから、WNVの強毒化には糖鎖付加が関連している可能性がある。以前の研究で、WNV NY株からE蛋白質上にN型糖鎖付加部位を持つLP株と糖鎖付加部位を持たないSP株を単離した。LP株はSP株に比べてマウス末梢での増殖性が高く、神経侵襲性毒力も強いことが判明している。本研究では、WNVのE蛋白質上への糖鎖付加がウイルスの増殖および伝播に与える影響を明らかにすることを目的とした。自然宿主内でのLP株とSP株の増殖性や病原性を調べるために、鶏雛およびアカイエカを用いて感染実験を行った。LP株を接種した鶏雛ではほぼ全ての個体が死亡したが、SP株接種群では半数以上が生き残った。また、LP株を接種した個体にのみ重度の壊死性心筋炎が観察されたことから、LP株は鶏雛に対してSP株に比べて高い病原性を有することが判明した。鶏雛血清中のウイルス量を経時的に測定したところ、接種後1~7日目まで、LP株はSP株に比べて常に10倍以上高いウイルス血症を示した。一方でアカイエカにLP株とSP株を胸腔内接種または吸血感染させたところ、両株の間に増殖性の差は認められなかった。次に、各ウイルス株の増殖性を調べるために、WNVの宿主となる哺乳類、鳥類および蚊に由来する培養細胞を用いて経時的なウイルスの増殖性を調べた。哺乳類由来細胞(BHK)および鳥類由来細胞(QT6)において、高温培養条件下ではLP株がSP株より10倍以上高い増殖性を示した。しかし蚊由来細胞(C6/36)においては両株の増殖性に差は見られなかった。これらの結果から、WNVのE蛋白質上糖鎖付加はウイルスの増殖性、特に鳥類宿主における高いウイルス血症に関与していることが示唆された。鳥類内でのウイルス血症が高ければ、蚊は高率にWNVに感染するため、この糖鎖付加が自然界における効率的なWNV感染環成立に寄与しているのではないかと考えられた。第二章では、ウエストナイルウイルスの極東ロシアの野鳥における抗体調査を行った。アメリカ大陸だけでなくロシアでもWNVは検出されており、近年その分布域が拡大している。極東ロシアでのWNV流行状況は良く調べられていないが、もしこれらの地域にもWNVが分布しているならば、近接する東アジア諸国へとウイルスが侵入してくる危険性がある。日本を含む東アジアにはWNVに近縁で同じ日本脳炎ウイルス血清型群に属するJEVが常在している。両ウイルスは抗原的に交差反応性を示すため、血清診断による鑑別が難しい。本研究では、信頼性の高い血清診断法である中和試験を用いて両ウイルスの交差反応性を評価した。また、日本に近接する極東ロシアにおいて野鳥の疫学調査を行い、中和試験による血清中の抗WNV抗体の検出を試みた。中和試験の特異性を検討するため、2日齢の鶏雛にJEVもしくはWNVを皮下接種し、一部の個体には3週間後に他方のウイルスを重感染させた。JEVまたはWNVを単独感染させた鶏雛血清についてフォーカス減少法による中和試験を実施したところ、それぞれのウイルスに対する中和抗体を特異的に検出することができた。またJEVとWNVを重感染させた鶏雛では、どちらのウイルスを先に接種しても両ウイルスに対する中和抗体が検出されることが判った。次に、極東ロシアにおけるWNVの浸淫状況を把握するため、野鳥における血清疫学調査を行った。野鳥が多く生息し、渡り鳥の中継地となるハンカ湖やアニュイ川、ホル川で2005年8月と2006年8月に合計152羽の野鳥を捕獲した。回収した野鳥の腎臓からRNAを抽出し、Real-Time PCR法によってWNV遺伝子の検出を試みたが全て陰性であった。一方、中和試験を用いて野鳥血清中の抗体測定を行ったところ、145検体中21検体(14.5%)でWNVに対する中和抗体が検出された。WNVに対する抗体が検出された鳥類種はカモ目やチドリ目、ハト目に属し、WNV感染によって高いウイルス血症を生じることが知られているものであった。WNV抗体陽性検体についてはJEVに対する中和試験も実施したが、ほとんどの検体でJEVに対する中和抗体価よりもWNV中和抗体価が4倍以上高く、この中和試験の結果はJEVに対する交差反応によるものではないことが判った。これらWNV抗体陽性の野鳥には、留鳥であるドバトやキジバトが含まれ、極東ロシアの野鳥間でWNVが流行していることが示唆された。また、その他の野鳥は全て渡り鳥であるため、日本や東アジア諸国へのWNV侵入の危険性が高まっていると思われる。これらの結果から、今後もロシアやロシアに隣接する地域における疫学調査を継続していくことが重要であると考えられた。

  12. Skull morphology and genetic variation of the Kuril harbor seal (Phoca vitulina stejnegeri) and the spotted seal (Phoca largha) around Hokkaido, Japan

    Nakagawa, Emiko
    北海道沿岸には5種のアザラシ類が生息あるいは回遊しており,中でも個体数が多いのがゼニガタアザラシおよびゴマフアザラシである.近年,両種ともに個体数の増加が報告されており,それに伴って沿岸漁業への被害や混獲によるアザラシの死亡個体数も増加している.沿岸生態系において高次捕食者に位置するアザラシ類の個体数変動は,下位の生物相にも大きな影響を与える.日本で唯一通年生息しているゼニガタアザラシは絶滅危惧ⅠB類として環境省が管理しており,北海道内では個体数の60%以上がえりもと厚岸に集中している.それに対して,冬から春に北海道の日本海およびオホーツク海沿岸に来遊するゴマフアザラシは,環境省ではなく北海道の管理下にある.アザラシの漁業被害量や混獲死亡個体数は地域差が大きく,さらに両種が同所的に生息している地域もある.しかし,それらの多くはどちらか一方を対象としたものであり,分類学的に近縁な2種の相違をより明確にするためには,2種を対象とした比較研究が必要である.本研究では,北海道沿岸に生息するゼニガタアザラシとゴマフアザラシについて,形態学的および遺伝学的比較を行った.ゼニガタアザラシとゴマフアザラシの成長に伴う頭蓋骨形態の変化を調べたところ,ゼニガタアザラシでは幼獣の段階から雌雄差が認められた.また,ゴマフアザラシよりもゼニガタアザラシの方が大型であることもすべての成長段階で認められた.ゴマフアザラシは1980年代には雌雄差がほとんど認められないと報告されていたが,本研究では特に咀嚼機能に関与する計測部位で雌雄差が認められた.これは近年の個体数増加に伴って,繁殖競争や餌生物を巡る競争が激化したためではないかと考えられた.成長段階による頭蓋骨の非計測的特徴の変化を調べたところ,側頭頬骨縫合と鼻骨切歯縫合の形状には種差が認められた.また,両種は幼獣の段階では特徴が類似しているが,成長に伴ってゼニガタアザラシの形状が変化して種差が明確になっていくことが明らかとなった.mtDNA・チトクロームb領域配列の解析の結果,ゼニガタアザラシではえりもの個体のハプロタイプ多様度が他に比べて低く,系統樹でも厚岸や納沙布の個体とは異なる集団に分かれることが認められた.このことから,北海道沿岸のゼニガタアザラシはえりも個体群と道東個体群が存在することが明らかとなった.それに対して,ゴマフアザラシのハプロタイプは多様であり,系統樹でも明確な地域個体群を認めることは出来なかった.この個体群の有無は両種の生態学的相違を反映しており,上陸場への定着性の強いゼニガタアザラシが明確な地域個体群を示したのに対して,回遊性があり特定の上陸場への定着性があまりみられないゴマフアザラシには地域個体群が認められないということが確認された.mtDNAとSRYによる両種の種間交雑判定を試みたところ,えりものゼニガタアザラシ28個体中1個体とゴマフアザラシ5個体中2個体で,斑紋と異なる種のmtDNAハプロタイプを持つことが確認された.その他の地域では,すべての個体は斑紋と同じ種のmtDNAハプロタイプを示した.しかし,SRY配列を調べたところ,ゼニガタアザラシとゴマフアザラシは同じ配列であり,SRYハプロタイプを利用して交雑判定を行うことは不可能であった.しかし斑紋とmtDNAハプロタイプが異なる個体が確認されたことから,えりもで種間交雑が生じている可能性が考えられた.本研究の結果から,北海道沿岸に生息するゼニガタアザラシとゴマフアザラシの頭蓋骨形態の成長に伴う特徴,mtDNAによる地域個体群の存在有無,種間交雑個体の存在の可能性が示された.特に,えりも地域では遺伝的特異性の高いゼニガタアザラシの地域個体群が認められるとともに,ゴマフアザラシとの交雑が生じている可能性も考えられた.従って,北海道におけるアザラシ類の保護管理を行う上で,えりも地域のモニタリングを重点的に進める必要があると考えられた.アザラシ類や沿岸漁業を含めた沿岸生態系の保全管理を実行していくにあたり,本研究の結果を基盤として,更に多様な調査研究へと発展させていくことが望まれる.

  13. 創薬早期における薬剤誘発性 QT 延長リスクの in vivo 評価法に関する研究


    The potential for non-cardiac drugs to induce QT interval prolongation accompanied by a rare but life-threatening lethal arrhythmia has generated intense interest and concern in the development of pharmaceuticals. Because inhibition of the hERG channel is considered the main cause for the QT interval prolongation, in vitro hERG inhibitory tests are generally conducted in early-stage drug development. However, hERG inhibitors do not necessarily cause QT prolongation and hERG tests are considered insufficient for actual QT risk assessment. In this study, in consideration of accurate QT risk evaluation in the early stages, I developed in vivo assays using anesthetized guinea pigs,...

  14. Studies on the development of vaccine and molecular basis of pathogenicity of avian influenza viruses for chicken

    Soda, Kosuke
    1997年以来、H5またはH7ウイルスの感染に因る高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生が続いている。筆者はインフルエンザAウイルスの自然宿主である野生水禽に維持されているH5またはH7ウイルスとHPAIウイルス間でヘマグルチニン(HA)の抗原性が類似していることを示した。本結果に基づき、野生水禽から分離された非病原性鳥インフルエンザウイルスを元に、A/duck/Hokkaido/Vac-1/2004 (H5N1) [Vac-1/04 (H5N1)]、A/duck/Hokkaido/Vac-3/2007 (H5N1)、およびA/duck/Hokkaido/Vac-2/2004 (H7N7)[Vac-2/04 (H7N7)]をワクチン候補株として作出した。ホルマリン不活化したVac-1/04 (H5N1) を100μg皮下接種したマウスは、HPAIウイルスVietnam/1194/2004 (H5N1)の致死量の攻撃に耐過した。Vac-1/04 (H5N1)およびVac-2/04 (H7N7)によって試製したワクチンを接種したニワトリおよびサルは、HPAIウイルスの攻撃に耐過した。以上の結果は野生水禽から分離した非病原性ウイルスがHPAIウイルスに因る感染症に対するワクチン株として有用であることを示している。一方で、ワクチンの濫用はHPAIウイルスの見えない流行拡大を助長する恐れがある。ワクチン接種に依存しHPAI対策の基本である摘発淘汰が疎かとなっている地域では、抗原変異ウイルスの出現を招くと共に、人の感染例が増加している。本研究で確立したワクチン株と流行株間の交差反応性を調べると共に、世界各国が摘発淘汰を基本とした対策を行い、鳥インフルエンザを封じ込める必要がある。H5またはH7ウイルスに因るHPAIに加え、近年低病原性H9N2ウイルスによる鳥インフルエンザの発生がアジア・中近東で続いており、家禽に甚大な被害を及ぼしている。従ってH9ウイルスがH5およびH7ウイルスのように家禽に対する高い病原性を獲得し得るかどうかを確認しておくことは防疫上重要である。本研究において、H9ウイルスのHA開裂部位にHPAIウイルスに見られる塩基性アミノ酸の連続配列を人工的に導入し、さらにヒヨコの気嚢内で10代継代したウイルス、rgY55sub-P10 (H9N2)はニワトリに対して静脈内接種病原性を示した。HA 開裂部位に導入した塩基性アミノ酸、および継代によって起こったアミノ酸の置換がニワトリに対する高い病原性に関与するものと考えられる。rgY55sub-P10 (H9N2)はMDCK細胞における増殖に外来性のトリプシン(ニワトリの呼吸器・腸管に局在)を必要としなかったが、本株を鼻腔内に接種したニワトリはH5ウイルスを接種した場合と異なり全く症状を示さなかった。本結果はニワトリ体内のユビキタスなプロテアーゼによるHAの開裂活性化はウイルスの全身感染に必要であるが、十分条件ではないことを示している。H5ウイルスはH9ウイルスに比べニワトリの血管内皮細胞で効率的に増殖してウイルス血症を引き起こし、さらに脳に侵入して高い病原性を発揮するものと考える。本研究では、H9N2ウイルスが静脈内接種病原性を獲得し得ることを示した。H9ウイルスはニワトリに細菌と共感染すると、鼻腔内接種病原性が増強することが報告されている。HA開裂部位に塩基性アミノ酸の置換変異を有するウイルスが実際に野外のニワトリから分離されており、このようなウイルスが鶏群内で感染を繰り返すことによって、静脈内接種病原性に加え鼻腔内接種病原性を獲得する恐れがあるので、監視を続ける必要がある。本研究で得られた成績は野生水禽および家禽におけるインフルエンザサーベイランスが、1) 環境中のウイルスの抗原性を把握する、2) HPAIに対するワクチン株を得る、3) 新たなHPAIウイルスの出現予測、のために重要であることを示している。

  15. Studies on Antitrypanosomal Activity of Medicinal Plants

    Bawn, Saw

  16. A Novel of Approach for the Identification of Lipid Molecular Species : Application of High Performance Liquid Chromatography on Fish Muscle Lecithin Molecular Species Analysis

    Koretaro, Takahashi

  17. 海洋細菌 Alteromonas sp. の産生するアルギン酸分解酵素の特性とその応用に関する研究

    澤辺, 智雄
    アルギン酸は褐藻類の細胞間粘質多糖成分の一つとして、あるいは粘調性集落を形成するある種の細菌の菌体外多糖として見いだされている直鎖の多糖である。アルギン酸分子はβ-D-マンニュロン酸(M)とα-L-グルロン酸(G)が複雑に配列した糖鎖であり、分子中にはpolyM領域、polyG領域およびMG random領域が存在する。このアルギン酸を分解・利用できる食藻動物、海洋性真菌類あるいは種々の陸性および海洋性細菌などは、それぞれ固有のアルギン酸分解酵素を分泌・産生することが確認されている。しかしながら、アルギン酸構成糖の配列が複雑であり、合成基質も利用できないことから、未だ個々のアルギン酸分解酵素の作用様式は充分解明されていない。それにもかかわらず、これら来源の異なるアルギン酸分解酵素を対象として、アルギン酸分子の構造と生合成系の解明、褐藻類のプロトプラスト化への利用、生物活性アルギン酸オリゴ糖の探索、褐藻類藻体の高度利用、肺嚢胞繊維症治療への利用など、農学・医学分野での応用研究が進行中である。そこで、本研究では穴あき症状を呈する利尻コンブ (Laminaria japonica var. ochotensis) 藻体から分離されたアルギン酸分解性海洋細菌Alteromonas sp. H-4株の産生するアルギン酸分解酵素の酵素化学的な性状を明らかにするとともに、褐藻類のプロトプラスト系確立のための細胞壁分解酵素としての利用の可能性について検討を行った。まず、第一章では、Alteromonas sp. H-4株の分類学的位置および同株の産生するアルギン酸分解酵素の産生条件の検討、精製、そして酵素化学的諸性状の解明を行った。初めにAlteromonas sp. H-4株の分類学的位置の検討を行った。対照菌株として供試したAlteromonas属14菌種との一般性状の比較では、H-4株はA. carrageenovora NCMB 302Tに最も類似していたが、A. carrageenovoraとはDNA-DNA相同性が45.8%と低く、whole cell protein (WCP) 電気泳動パターンも異なり、同種とは同定できなかった。また、他の対照菌株とも一般性状、DNA-DNA相同性、WCP電気泳動パターンがいずれも異なり、H-4株はAlteromonas属の新種であることが示唆された。次にH-4株のアルギン酸分解酵素の産生条件を検討した。同菌株が菌体外に産生するアルギン酸分解酵素は構成型酵素であり、アルギン酸ナトリウム (Alg-Na), polyG, polyMおよびMG randomいずれの基質にも分解性を示し、培地中の海水濃度が75%, カシトン濃度が0.5%の時に酵素活性が最も高くなった。一方、H-4株の菌体内からは、polyMとMG randomに対してのみ分解活性を有する酵素の存在が認められ、H-4株は菌体内外に基質特異性が異なるアルギン酸分解酵素を産生していることが明らかとなった。そこで、上記の至適培養条件下で培養したH-4株の培養上清から菌体外酵素の精製を行い、その特性を明らかにした。精製した菌体外アルギン酸分解酵素は各種の電気泳動 (Native-PAGE, SDS-PAGE, IEF)により単一であることが確認され、このタンパク質バンドにアルギン酸分解活性が認められた。本酵素の分子量は32kDa、等電点 (pI) は4.7と推定され、反応至適pHは7.5、反応至適温度は30℃であり、pH5以下および40℃以上の温度では不安定であった。本酵素は海水とほぼ同濃度のMgCl2, NaCl, CaCl2で強く賦活化され、MgCl2あるいは海水の添加により熱安定性が上昇したことから、海水存在下でも強い活性を有する酵素であることが示された。さらに、本酵素の反応は、235nmの吸光値の増加に伴い、還元糖量も増加し、糖鎖の切断とともにその非還元末端に2重結合を導入するアルギン酸リアーゼ (alginate lyase) EC[4.2.2.3.]であると考えられた。また、酵素反応開始直後に基質溶液の粘度が急激に低下したことからendo-型の分解様式が推定された。次いで、H-4株菌体外アルギン酸リアーゼの基質特異性および作用様式を検討した。本酵素はAlg-Na, polyM, polyGおよびMG randomいずれの基質に対しても分解性を示した。またIEF後の活性染色において、polyMとpolyGに対する分解活性がいずれも酵素タンパクと同一位置に認められた。さらに、Alg-Na, polyM, polyGおよびMG randomの本酵素分解物は、いずれも重合度 (DP) が7~8, 5~6および3~4と推定される3種の不飽和オリゴウロン酸が検出され、これら分解産物の総量は分解に用いた基質量と同等であった。以上の結果から、H-4株菌体外アルギン酸リアーゼはpolyMとpolyGに分解性を示す単一の酵素タンパク質であることが示唆され、現在までに報告されていない新規な分解様式を示すアルギン酸リアーゼであると考えられた。なお、酵素反応動力学的な解析により、本酵素のKm値はpolyG (66μg/ml) とpolyM (165μg/ml) では20倍程度の開きが認められ、homopolymeric領域への基質親和性が異なることが示唆された。第二章では、褐藻類細胞間晶質多糖であるアルギン酸のpolyMとpolyGを強く分解できるH-4株の菌体外アルギン酸リアーゼを用いて、コンブ細胞のプロトプラスト化を試みた。H-4株菌体外アルギン酸リアーゼをマコンブ細胞に作用させ、プロトプラストの作出に及ぼす高張液および酵素液組成の影響を調べた。30 U/mlのH-4株精製アルギン酸リアーゼに15%セルラーゼを添加した酵素液を用い、0.5Mマンニトール-5mM HEPES-25 mM MgCl2-50%NSWを含む高張液中で、15℃, 3~5時間の酵素処理を行った場合に最も効率良くプロトプラストが得られた。この時、藻体1g当たり、8.0x10^6 cellsのプロトプラストが得られ、これらの生存率は97.7%と高かった。次に、得られたマコンブプロトプラストの培養を試みた。培地の交換頻度を高めたバッチ培養法と連続培養法において、プロトプラストは培養1~2日目から細胞壁が再生し、培養15日以降には活発に細胞分裂をくり返して細胞塊に至った。培養30日で葉体様形態に至ったが、バッチ培養では細菌・原生動物の増殖等により、これ以上の期間にわたる培養は継続できなかった。しかし、連続培養では再生した葉体様組織をフラスコに移し培養を継続することができ、培養3ヶ月で芽胞体様形態に成長した。さらに、培養4ヶ月後には藻体長が3cm程度に達した個体が認められた。以上、本研究で供試した海洋細菌Alteromonas sp. H-4株は今までに報告のない新種であることが明らかになり、かつ、本菌株が菌体外に産生するアルギン酸分解酵素が新規な分解様式を示し、海水に適応した性質を持つアルギン酸リアーゼであることを明らかにできた。その上、本酵素を利用することにより、マコンブ細胞から生物活性の高いプロトプラストを効率良く作出し、芽胞体様形態まで再生させることに成功した。今後はAlteromonas sp. H-4株の菌体内に見いだされたアルギン酸分解酵素の性状および作用機序を明らかにし、H-4株におけるアルギン酸分解代謝並びにその制御機構についても研究を進める必要性があると考えている。さらに、全ての生長段階の藻体から短時間にプロトプラストの作出が可能な条件を確立するとともに、無菌のプロトプラストを作出し、マコンブの無菌実験系を確立して、これをマコンブ細胞と微生物との相互作用を含めた、発育および分化促進因子の探索へ利用したいと考えている。

  18. Studies on MIMO Spatial Multiplexing for High-Speed Wireless Communications

    Nishimoto, Hiroshi

  19. ハイドロキシアパタイトを担体としたエリスロポエチン徐放性製剤の開発


    For chronic kidney disease (CKD) patients with renal anemia, recombinant human erythropoietin (rhEPO) is a very effective drug; however, the treatment regime is troublesome, requiring multiple administrations each week. In veterinary field, rhEPO treatment has been also introduced; however, multiple administrations each week is necessary like human case. To resolve this problem, the method of sustained release of biologically active rhEPO over a period of two weeks or more should be necessary. Hydroxyapatite (HAp) is a biocompatible ceramic, widely used in the biomaterial field. HAp particles have been examined for application in the sustained release of various therapeutic agents, such...

  20. 北海道畑作農業の技術構造 : 農法論の基本的課題の吟味

    吉田, 英雄

Aviso de cookies: Usamos cookies propias y de terceros para mejorar nuestros servicios, para análisis estadístico y para mostrarle publicidad. Si continua navegando consideramos que acepta su uso en los términos establecidos en la Política de cookies.